ラグビー観戦にはビール!に意を強くして、テレビ観戦のときはいつもより缶が多めに空きます。
ともあれ日本代表良くがんばってくれました。
日本は舞台から去りましたが、強豪国がぶつかる準決勝、決勝が楽しみです。
ビールもたくさん買っておかなくては…
昨日の読売新聞に「ラグビーの世界史」と題した解説記事があり、興味深く読みました。
そこに、ラグビー校(イングランド中部にあるエリート養成の名門校)の生徒を主人公にした青春小説『トム・ブラウンの学校生活』が大英帝国全域でベストセラーになったとあり、この小説のヤマ場はラグビーの試合だそうで、それでラグビーが一気に広まったとの事。
トム・ブラウン…おやっ?と思って、本棚からシミだらけになった「武士道」(新渡戸稲造)を取り出しぱらぱらめくると……ありました。
(ちょっと長くなりますがそのまま抜書きします)
「戦闘におけるフェア・プレイ。この野蛮さと児戯めいた原始的な感覚のうちに、なんと豊かな倫理の萌芽があることだろうか。これこそあらゆる文武の徳の源泉ではないか。
われわれはあの小さな英国人、トム・ブラウンの『けっして小さな子をいじめたり、年かさの子に背を向けたりしなかった人間であった、という名を残したい』という少年らしい決意をきいて、私たち自身はとっくにそんな願いごとは卒業してしまったかのように、微笑むのである。
だがこの決意こそ、その上に強靭で、しかも壮大な倫理体系をうち建てるかなめ石であることを知らないものはないであろう。
…トムの願いは、英国を偉大にしているかなめの石なのである。」
戦闘におけるフェアプレイという野蛮さと児戯めいた原始的な感覚、そしてトム・ブラウンの精神こそ、ラグビー校が男の子に植えつけたかった精神、ラグビーの精神ではないでしょうか。
記事に戻りますが、フランスの教育者で近代オリンピックの創始者で有名なクーベルタン男爵は「ラグビー校が大英帝国の礎」と断じ、普仏戦争に敗れたフランスに自信を取り戻すべくラグビー普及に奔走したとの事。
だからフランスはラグビー伝統国であり強豪国なんですね。
さて、わが日本はラグビー1世紀半の伝統国とはなれませんが、次の大会も決勝トーナメントへ進んで強豪国といわれるようになって欲しいものです。
先に「武士道」を抜書きした部分の後に新渡戸は、「そして、わが『武士道』がそれより小さなかなめの石に立っていないことがわかるには、そう時間はかからないはずだ。」
と続けています。
わが「武士道」はトム・ブラウンの精神に相通ずるものです。
そういえば、リーチマイケル主将は試合後、対戦相手に敬意を表して日本刀をプレゼントしていましたね。
日本代表チームの健闘をたたえたいと思います。
Yoshihisa Eisha