新年号が「令和」に決まりました。万葉集が出典とのこと。
出版社には万葉集の注文が殺到しているとのことで、万葉集ブーム到来の感がありますね。
『万葉集』の大きな特徴は、作者が上は天皇から下は兵士、農民、遊女、乞食に至るまで各階層におよび、身分の差がまったく見られないことだそうです。
もちろん、男女の差別もありません。地域も当時の都を中心とした地域だけでなく、東国、北陸、九州の各地方を含んでおり、文字どおり国民的歌集とのこと。
“日本人は「歌の前に平等」”だったんですね。
世界のどこを探してもこんな民族は他にいないのではないでしょうか。
だいたい、万葉集の歌が詠まれた5世紀~8世紀の当時、農民、遊女、乞食にいたるまで「歌を詠んだ」「歌が詠めた」というところがすばらしいと思います。
ところで、この前の休日、家族で花見をしようと千鳥ヶ淵へ向かったのですが、
途中皇居乾通りが一般公開されていたのでせっかくだからと行ってみました。
桜も他の草花もとても良かったのですが、それはさておき、
途中で手にとった一般参賀・参観等の案内のパンフレットの中に「歌会始の詠進」とあります。
詠進要領…「お題を詠み込んだ未発表の自作の短歌で、一人一首に限ります。…海外からの応募は…。病気などのため代筆の場合は…。視覚障害の方は点字で…。」
まさに誰でも応募できるのです。
現在は身分の差など無くはじめから平等ですが、それでも歌会始には万葉集の「和歌の前に平等」が受け継がれているようでちょっと嬉しくなりました。
この国が「言霊の幸はう国」であってほしいものです。
Yoshihisa Eisha